理事長あいさつ

近年学童保育を取り巻く環境は大きく変わってきています。厚生労働省が「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)」を発出し、それに従い2014年に松戸市でも学童保育が条例化されました(正式名:松戸市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例)。保育料も15、000円から12,000円となり、さらに2017年度には9,000円となり、近隣他市と遜色ない保育料となりました。

2019年度から学童保育の「委託化」が予定されています。これまで補助事業として運営されてきましたが、近隣市町村も含め全国的には公設公営あるいは委託で運営されるようになってきています。補助事業では松戸市の責任が明確ではありませんでしたが、今後は松戸市の責任事業として運営法人に委託することになります。一方、これまでは補助事業だったので法人に一定の自由裁量がありましたが、今後の法人運営、特に保育内容がどのように変化していくのか注視していく必要があります。

2002年10月に、松戸市が地域運営委員会方式から運営主体を社会福祉法人もしくはNPO法人とした際に、それまで多くの諸先輩が築き上げてきた松戸の学童保育の歴史と理念と事業を引き継ぐために、私達は「NPO法人松戸市学童保育の会」を2002年9月28日に設立しました。
保育の会は子ども達の心身とも健やかな成長・発達を保障するために、保護者と指導員が子どもを育てるという「共同の子育て」の理念を掲げ、保護者をはじめ理事会・指導員・会員が一つになり、行政や地域の方々の協力も得てこの15年間事業運営を行ってきました。

私達は子ども達が年間を通して継続的に学童保育で過ごすことは、子ども達の成長にとってとても大切なことだと考えています。また、そうした子ども達の放課後の生活を支える指導員が長く働き保育体制が安定することは大変重要なことと考え、少しずつですがその処遇の改善にも取り組んできました。

一方で働く保護者の増加や保育料の大幅な軽減もあり、近年学童保育所に入る児童が急激に増え、指導員の確保が課題となっています。松戸市は保育所の保育士確保のために「松戸手当」を支給している中、学童保育も児童数増加に伴う施設の確保や人件費の確保に努めてきていますが追いつていません。指導員の確保と長く働けるための待遇改善が必要であり、委託を機に改善されることを期待しています。

松戸市学童保育の会
理事長
鈴木三恵